自律神経は循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。自律神経のバランスが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。
これが自律神経症状と呼ばれるものです。
特に自律神経症状は次の3つが大きくかかわっていると言われています。

- 人間関係、仕事のプレッシャーなどの悩みや不安による精神的なストレス、過労、事故、怪我、さらには音、光、温度なども身体的なストレスとなって自律神経の乱れの主な原因になります。そのストレスが過剰になると、交感神経と副交感神経のバランス、つまり自律神経のバランスが乱れます。

- 私たちの体は一定の生体リズムに従って働いています。慢性的な寝不足や昼夜逆転、不規則な食生活など不摂生を続けていると、生体リズムが狂って自律神経のバランスを乱す原因になります。

- 自律神経失調症や更年期障害が自律神経の乱れを引き起こす代表的な疾患です。自律神経失調症は、過剰な精神的、身体的ストレスが引き金となって自律神経が乱れることで発症し、その症状としてさらに自律神経が乱れるという悪循環に陥ります。更年期障害では、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで自律神経が乱れ、突然のほてりやのぼせ、頭痛、めまいなどさまざまな不調があらわれます。
自律神経というものは自分の意思でコントロールできるものではありません。
よって、自律神経が乱れた状態で体をいくら休めても治りません。頭痛やめまい、だるさ、吐き気などの症状はあくまで表向きの症状で、それを引き起こしている根本の部分の改善がされなければ、完治したとはいえず、良くなったり悪くなったりを繰り返すでしょう。人間の身体には自己治癒能力というものが生まれつき備わっています。
ただ、そういった症状が長期間にわたって続くと、自己治癒能力が正常に発揮できない、または何かの要因に阻害されてしまう状態に陥ってしまいます。
そこで、痛みの専門家グループではグループ独自の整体によって、脊椎のひとつひとつを動かして調整し、関節の遊びを回復させ、脳脊髄液の流れを良くしていきます。
脳脊髄液とは脳で産生され、脊柱管の中を通って循環し、脳や脊髄を守る役割と、脳・脊髄の環境を一定に保ったり、栄養の補給を行ったりしています。この脳脊髄液の循環が促されることで、人間が本来もつ自己治癒能力を最大限引き出していく施術です。
また、精神的なストレスを感じると、人の身体は無意識のうちに防御の姿勢を取ります。
身の危険を感じると、肩をすくめたり、背を丸め首に力を入れたり、眼を固く閉じる、歯を食いしばるなど、防御姿勢を反射的にとるはずです。
このような筋肉の働きが、精神的なストレスを感じた時にも引き起こされているとしたら、自律神経の乱れを引き起こすような生活上のストレスは持続的なことが多いので、筋肉の緊張も長時間に及ぶ可能性があります。
これが日常的に繰り返されれば、防御姿勢・不良姿勢が固定してしまい、筋肉のアンバランスや心身の不調を引き起こします。この姿勢の調整、筋肉のアンバランスも同時に改善していきます。
また、自律神経の乱れから起こる、様々な症状は、鍼灸の得意分野にもなります。
それぞれの症状によって、施術方法は異なりますが、詳しくお話を聞かせていただいたうえで、各患者さまの症状に合わせた施術計画をお伝えいたします。
鍼やお灸も併せて施術し、陰陽のバランスを整えていくことで、患者さまの様々な症状を改善していきます。

お勧めする理由は、鍼灸治療は自己治癒力を阻害している因子を除去し、本来あるべき状態に戻すことのできる治療法であり、副作用の心配もない安全な治療法だからです。
さらに、鍼灸治療により身体の体内バランスを整えると、めまい、だるさ、倦怠感、吐き気等の自律神経症状以外にも様々な症状に効果のある治療法ですので、多くの患者様のお悩みに対応できます。
また、鍼灸治療により症状の改善を。生活習慣や生活環境改善で自律神経を日常的に安定させ、症状の再発しない体に変えていくことが出来ますのでこの2つの治療法を合わせるとより効果的です。
